花の散歩道
花がもつ魅力についてのワンポイント情報♪♪
花の散歩道 ① 《花の癒し》
喜びのときも、悲しみのときも、私たちの日々のくらしを彩る花々。
花とのふれあいは、私たちの五感を刺激し癒しをもたらします。
花には、なぜ、癒しの効果があるのでしょうか。
そこで、ここでは、“花と五感のかかわり”についてみていきます。
≪視覚≫
視覚は、人の五感のなかでも約8割の働きがあるといわれています。私たちは、「色を見て」「色を感じて」いるのですが、その感じ方は色によって違ってきます。
たとえば花の色が
(a) 赤い色では、情熱、エネルギー、活力などを感じ、
(b) ピンク色から、やさしさ、しあわせ、おだやかさを感じ、
(c) 黄色い色から、元気、ぬくもりを感じ、
(d) 青い色からは、心のおちつきを感じる、
など、色の感じ方は、さまざまです。
また、視覚でとらえることには、「色」のほかに「形」もあります。
花のかたちも多種多様で
(a) カスミソウのような小さい花でフワフワした花・・・気持ちがやさしくなる、
(b) サンダーソニアのようなベル状の花・・・やすらぎを感じる、
(c) ブルースターのような星形の花・・・希望がもてる、
(d) トケイソウのようなユニークな花・・・直観力がさえる、
など、個性的な花のかたちは、私たちの感性にさまざまな働きかけをします。
≪嗅覚≫
大脳辺縁系は、記憶をふくめて感情を処理する私たちの脳のなかにある部位です。 五感のなかで、嗅覚への刺激だけが、直接、大脳辺縁系にとどくといわれ実験や調査でも明らかになっています。
花の香りには
(a) バラのような甘い香り・・・心身に活力をあたえ、明るい気分に、
(b) フリージアのような揮発性のさわやかな香り・・・イライラを静め、おだやかに、
(c) ウメのようなさわやかな甘い香り・・・リラックスさせてくれる、
(d) ジャスミンのようなエキゾチックな香り・・・気分を高揚させ、やる気をおこす、
など心身にいろいろと作用をもたらします。
キンモクセイの芳しい香りから、実家の庭で遊んでいたころの小さな自分を思いだし――ユリの香りから、亡くなった祖母と過ごした時間がよみがえり――香りは、感情だけではなく記憶にも影響しているのです。
≪味覚≫
歴史的にみても私たちは、身近なところで、菜の花、食用ギク、桜の塩づけ、みょうが、シソの葉などを食べてきました。 最近では、“エディブルフラワー”(edible flower=食用花)として日本の大手百貨店、大手スーパーマーケットでもみかけるようになりました。 たとえば、バラ、ホウセンカ、キンギョソウ、パンジー、サルビア、カーネーションなど品種もたくさんあり、いろいろな色を楽しむことができます。 バランスのいい栄養素が含まれていることもわかってきました。
≪触覚≫
花にふれた時の感じによっても
(a) 花びらには、はかなげで、やわらかいものや厚みのあるものがあり、
(b) 葉にも、肉厚で硬い感じのもの、ざらざらしたもの、ビロードのようなやわらかさ、
などがあり、私たちの心身への作用はそれぞれ違ってきます。
≪聴覚≫
耳をすませば
(a) さやさやと木々の葉がそよぐ音や、
(b) 虫や鳥のさえずりの声、
(c) 小川のせせらぎの音など、
いろいろな自然の音が、私たちをリラックスさせ、素直なきもちに導いてくれます。
また、植物パワーとして気軽に利用するには
(a) 「花」から、ラベンダーティー、カモミールティー、ローズティー、
(b) 「葉」から、ミントティー、ローズマリーティー、レモンバームティー、
など、植物パワーを簡単に楽しむことができるのも、ハーブの魅力のひとつではないでしょうか。
五感をとおして花の癒しについて考えると、花にふれることによって「なぜ、気がまぎれるのか」「なぜ、心が癒されるのか」がよくわかります。
自然界には、数えきれないほどの花の種類があり、ひとつひとつに個性があり――それらの個性は、ほとんどが自然の力によってつくられました。 自然の恵み、花にふれ、自然を感じながら、心豊かな日々のくらしを楽しみたいですね。